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2010.12.06UPDATE

切込隊長 携帯通信が速くなった時のコミュニケーションを語る(3)

著名ブロガー「切込隊長」としても知られる実業家/投資家の山本一郎氏に次世代通信規格「LTE(Long Term Evolution)」について話をうかがう第3回、人と会うこと、バーチャルで会うこと、これらの違いを聞いてみました。(クロッシィジャーナル編集部)

テレビ電話・Ustreamがあってもなぜ人は誰かと会い現場へ行くのか

人とのコミュニケーションは、何で成立しているのでしょう? 例えば、テレビ電話がありますが、それだけでは満足できないから、実際に会おう、ということになります。テレビ電話で会話するのと実際に会うこととの違い、それはまだ解明されてはいませんが、少なくともテレビ電話では満足感は得られない。つまり、映像だけではコミュニケーションは不十分、ということだと思います。

人間がコミュニケーションしているもの、それは相手の表情だったり、しぐさだったり、それら含めたその場の空気・温度感だと思います。相手と離れている場合、それを100%伝えるのは無理ですが、それを埋めていくにはどれだけの情報を届けられるか、だと思います。

そして、LTEの可能性は、ネット上でどれだけ擬似的にリアルなコミュニケーションを再現できるか? ということにあると思っています。その場の臨場感含めた、第三者との共有体験です。

例えば、コンサートをUstreamで1万人が観ました、ということだけで共有体験と言えるでしょうか? 共有体験の本質は、その場にどんな人が集まってきて、演者が出てきて、はけるまでの時間だったり、熱気だったりの会場の雰囲気でもあります。

今のネットサービスの多くは、どれだけの人がそれを見て、という文字・数字でしか表現できていない。ライブ感ってなんだろう、とサービス側も問題意識を持っていますし、限界を感じるところでもあります。野球やサッカー、ライブなども、どうやって臨場感を表現しようか、というところは改善の余地があると思っています。そこに、LTEをどこまで活用できるかのポイントがありますね。(続く)

山本一郎
1973年東京都生まれ。ネット上では「切込隊長」として知られるブロガーであり、実業家・投資家。著書に『情報革命バブルの崩壊』(文春新書)など。

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