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2010.12.15UPDATE

現在4回線と契約中の津田大介氏 せめて2回線に減らしたい

ドコモがサービス開始する次世代通信規格「LTE(Long Term Evolution)」。携帯電話で光回線並みの通信速度を実現するこのサービスで、仕事のやり方は変わるのだろうか? 毎日ノートパソコンを持ち歩き、外で仕事することが多いという、メディアジャーナリストの津田大介氏に、お話をうかがった。

【タブレットPCの需要が上がる】

テレビ局の放送なども、携帯で、いまよりリッチに見られる時代になるでしょうね。いまはワンセグで、地デジの空き電波を利用して、モバイル端末用に流していますけれど、LTEがあれば、サイマル放送で地デジと同じくらいの画質のものを流せる状態にはなってくる。そこから先は、著作権など、ビジネスモデルの問題になってきますけど。

そういう意味では、これからiPadなどのタブレット型の端末と、ポケットWi-Fiなどのモバイルルーターの需要がますます上がってくるでしょうね。実際、iPadを買ってからノートPC持ち歩かなくなったという人も増えていますし…。

ノートPC自体の市場を食うとは思わないですけれど。モバイルルーターとタブレットを持ち運ぶことで、外でTVや映画を気軽に見るようになったり、いろいろと変わる部分も出てくるでしょう。LTEは、ああいうタブレット型端末の可能性を相当上げてくれると思います。

もっとも僕は、ノートからタブレットに移行することはないと思いますが。それは仕事で使うのかエンタメ重視かの違いで、文章を打ったりするには、PCが必要ですから。

【回線持ちすぎな状況を、すっきりさせたい】

LTEでできることって、ゲームなどのエンターテイメント、社会、ビジネス、教育、医療など、限りなく広がるわけですけれど、僕がいちばん興味あるのは、やっぱりどこでも仕事ができるようになることですかね。

今も僕は、外で仕事することの方が多いですけれど、そのために4回線も使っているんですよ。電波持ちすぎですよね。WiMAXもドコモもiPhoneもauも持っている。せめてこれを2つくらいにしたいですよね。通信コストもバカにならないし、もったいないなあと。

そもそも携帯電話端末をauとiPhone2台持ちしているのは、外から携帯でPCサイトとかを見ることが多くなって、すごく通話料金が上がってしまったからなんです。パケット定額でフルまで使ったりすると、1万2千円くらいいってしまって、けっこう高いなぁと。よく考えたら、iPhoneは月5千円くらいだし、サイトはiPhoneで見て、携帯でパケットするのをやめれば、ほぼ同じなんじゃないかとあるとき気付いたんです。実際やってみたら、本当に同じくらいの値段になりましたね。

いつでもどこでもつながる。それが高速であればうれしい。だからLTEが広がって、通話もできて、通信もできて、定額で利用できる。そして、エリアも全国カバーされるとなってかつルーター機能が付いている携帯があれば、もうそれでOKですよね。それプラス、スマートフォンをもう一台持つかどうかくらいかな。いっそLTEでスマートフォンになれば、もうそれ一台にできるので、すごくいいですね。

津田大介
1973年東京生まれ。コンテンツビジネス周辺や著作権、IT、ネットサービスなどをフィールドにするメディアジャーナリスト。著書に「ツイッター社会論」(洋泉社)、「未来型サバイバル音楽論」(中公新書)など。

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